【Love♡blood ~O型女×AB型男~】 第4話 そして交際へ… 血液型攻略エッセイ<占い/Love♡blood>
血液型攻略エッセイ Love♡blood ~私と彼の出逢い~
この血液型攻略エッセイは、それぞれの血液型4種類の男女が出逢い、付き合い、そして結婚するまでの人生を、4×4=16のストーリーとして、紹介していくもの。16組の恋の始まりは同じ出会いの場なのに、血液型の違いから全く違った未来になって行く…それぞれの血液型の男と女が織りなす恋物語を、ストーリーテラーが紡いでいきます。さあ、それでは今日も「16通りの運命の扉」を開いてみましょう!
O型女性:永井圭子 愛称:けい 26歳 牡羊座 エステティシャン
AB型男性:風間伸治 愛称:しんじ 27歳 水瓶座 システムエンジニア
【O型女性・永井圭子とAB型男性・風間伸治の付き合い②】
そして交際へ……
あまり緊張することが無い私だけど、さすがに今日はガチガチになる。
あと5分後には風間さんと食事だ。
何て言ったら良いんだろうか……
『その節は申し訳ありません!』
『気づかなくて、つい…』
『介抱してくださり、ありがとうございました!』
色々、頭の中で考えてはみるものの、どうもしっくりこない。
どうしたものか……
人に迷惑をかけるっていうのは、一番苦手だ。
甘えるのがヘタなんだよな……
眉間にしわを寄せてしまう。
「あ、どーも」
『ああっ! あのあの、あ、どうも!』
風間さんだ。
突然横から声をかけられて、ビビる。
この人、やっぱ苦手だわ~
「そこの近くの定食屋でいいですか?」
『あっはい!もちろんです…』
前を歩く風間さんの後をついていく。
この人、何考えてるのか全く分からない。
「ここです」
着いた先には、薄汚れた看板で“ぼっけもん”と書いてある。
『ええと…』
ここは、何だろう?
「九州料理のお店です」
彼に促されるまま、中に入る。
「らっしゃい! お、しんちゃん!珍しいね、女連れかい?」
威勢の良い大将が声をかけてくれる。
こういう雰囲気は嫌いじゃない。
少しホッとする。
「姉ちゃん、しんちゃんのコレかい?」
大将が小指をピンと立てる。
『あ、あの違います、そういうんじゃなくて…』
「あ、そうなんだ、ハハッ、余計なこと訊いちゃったなぁ… まぁ、奥の席に座ってよ」
店の店主は頭を掻きながら、奥へ通してくれる。
こんな大衆的なお店に来るんだな、風間さんって。意外だ。
「ここ、美味しいんだ」
『はぁ…』
風間さんが、少し微笑む。
そして、今日のおススメランチを二つ注文。
というか、メニューにはおススメランチしかない。今どき珍しい。
沈黙の時間が痛い。
さて…… 前回のことを謝らなくちゃな。
『あの、風間さん!』
「ん?」
『酔っぱらって、迷惑かけてすいませんでした! しかも、風間さんだって気づいていなくて!』
思いつく限りのことをつらつらと正直に話す。
「……」
風間さんの表情は変わらない。
相当、呆れてるんだろうか。
「ああ、あの時は酷かったね…」
思い出したかのように語り始める風間さん。
「このメガネザル!って、めっちゃ暴言吐かれたし、トイレにこもってすっごい吐いてたよ」
“ガーン!”と頭を殴られたかのような衝撃。
ショックだ…… つか、風間さん、結構毒舌…。
「で、凄く酔ってたから、ボク心配で。キーケースも忘れててたし。」
『はい、申し訳ないです…』
「でもね、あの時、すっごくゲームの話で盛り上がったの、覚えてます?」
えっ! 初耳だ。
「いやね、酔っぱらって“ファイナルクエスト、サイコー!”って叫んでて」
『ええっ!』
「ボクもかなり好きな作品だから、アレ。一緒に公園で2時間くらい話し込んだんですよ」
次々に、新事実が明らかになる。美智子ちゃんからは聞いてないぞ!
確かに、“ファイナルクエスト”は、私がゲーマー時代に大ハマりしたゲームだけど…。
「で、ボクと一緒にゲーセン行きて~! って叫んで、約束したの覚えてる?」
―――本日、二度目のショック!!
そんな約束までしてたんだ……
「多分、覚えてないよね… でも、凄く嬉しかったんだ、ゲーム仲間ができたみたいでさ」
それからずっと、風間さんはゲームの話を熱心に語ってくれた。
もちろん、私は定食の味なんてわからなかった―――
「じゃあ、そろそろゲーセン行こうか?」
『そ、そうですね!』
もう、合わせるしかなかった。
でも、確かにゲームの好みは会うと思う…。
酔っぱらって、相当クダをまいたんだろうな…。
店を出て、アーケードに入る。
「ここの、2階はレトロゲームが50円でできるんですよ」
さすが、風間さんは詳しい。
ゲーセンに入ると、独特の匂いと喧騒。
ああ、ゲーセンって感じ。
「よし! やりますか! まずは2プレイで面クリ目指しましょう!」
あんだけ迷惑かけたのに。
この人って、実はすごくいいヤツなのかもしれない……
終始、彼のペースで不思議な時間が流れていた―――
O型女子にとって、AB型男子は全く持って理解不能な存在かもしれません。何を考えているのか分からず、自分の出方も見えないでしょう。いつもなら強気のO型女子も、AB型男子の変幻自在なコミュニケーションにはついていけないかも。でも、ふと見せる彼の素朴な一面や、こだわらない姿勢に、だんだんと引き込まれていくのも事実。意外と恋に落ちるのはO型女子の方なのかもしれません。
(脇田尚揮/ライター)
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