【Love♡blood ~A型女×A型男~】 第4話 そして交際へ… 血液型攻略エッセイ049 <占い/Love♡blood>
血液型攻略エッセイ Love♡blood ~私と彼の出逢い~
この血液型攻略エッセイは、それぞれの血液型4種類の男女が出逢い、付き合い、そして結婚するまでの人生を、4×4=16のストーリーとして、紹介していくもの。16組の恋の始まりは同じ出会いの場なのに、血液型の違いから全く違った未来になって行く…それぞれの血液型の男と女が織りなす恋物語を、ストーリーテラーが紡いでいきます。さあ、それでは今日も「16通りの運命の扉」を開いてみましょう!
A型女性:秋山唯 愛称:ゆっち 25歳 山羊座 医療事務職
A型男性:山岡誠 愛称:まこちん 28歳 乙女座 教師
【A型女性・秋山唯とA型男性・山岡誠の付き合い②】
そして交際へ……
今朝は、いつもよりも1時間早く目が覚めた。
レースのカーテン越しに見える朝焼けの空はどこか晴れやかで、私の高揚する心を反映しているかのようだ。
そう、今日は山岡さんとランチの約束を取り付けている。
同僚と食事することはあったけど、男性と二人きりの時間を過ごすのは何年ぶりだろう。嫌がおうにも緊張する。
ベッドから身体を起し、大きく伸びをする。
何着ていこうかな、なんてことを考えつつ、軽く朝食を済ませて、お風呂に入る。
考えてみると、私はデートの時に着るような服をあまり持っていないんだなぁ。
クローゼットの中を見ながら、溜め息をつく。どれもシックで似たような服ばかりだ。
可愛らしいのを一着くらい買っとけばよかったな……
鏡の前で合わせてみて色々悩んだ結果、グレーのワンピースが一番しっくりくる。
メイクもそれなりに力を入れてみるけど、変わり映えしない。
昔から無難な格好が好きだった。自分に自信が無いから。
そうこうするうちに、もう11時。
約束の時間まで1時間を切った。
『行かなくちゃ』
急ぎ足で家を出て渋谷へ向かう。
楽しみだなぁ。
でも、気合いが入り過ぎてると思われるのは、恥ずかしい……から落ち着いていこう。
待ち合わせの時間10分前にハチ公前に到着。
そこには既にジーンズにポロシャツ姿の山岡さんがいた。
何分前から待ってたんだろう。
律儀な人だなぁ。
『こんにちは。』
スマホに目を向けている彼の近くに行き、声をかける。
「あっ、秋山さん、どうも! 今日はすいません、わざわざ来てくださって……」
『いえいえ、こちらこそ……』
お互い遠慮しながら、差し障りのない会話を交わす。
「じゃあ、行きましょうか。ここから5分くらいのとこにあるんですよ」
彼が行動を促し、ふたり歩き始める。
少し距離を保ちながらも、離れないように。
かなり気を遣ってくれているのがわかる。
出会った当初から印象の良い人だとは感じていたけど。
「ここです。入りましょう」
路地裏に面した場所に、緑色の看板で“モンマルシェ”と書いてある。
これは美味しいやつだ……!
お店の中は小さいながらも清潔で、グリーンが目に優しい。
「ここのオムライスが絶品で、教員に成り立ての頃からファンなんですよ」
『そうなんですね! 楽しみ~』
「あ、でも秋山さんは昨日もオムライス食べたんですよね、別々のものを注文してシェアしませんか?」
『そうですね、、何が良いんだろう?』
「ここは煮込みハンバーグもおススメです!」
『ホントですか? じゃあ、私はハンバーグで!』
それぞれ注文を済ませて、冷水を一口飲む。
やっぱり男の人を目の前にすると緊張しちゃう。
「ところで、秋山さんは料理よく作られるんですか?」
彼が嬉しそうに尋ねてくる。
『なるべく自炊するようにはしていますけど、腕のほうはイマイチです……』
「でも、すごく美味しそうでしたよ、昨日のオムライス。私は料理からっきしだからなぁ。」
自分を飾らない素朴な人。
山岡さんって、一緒にいて安心できる……。
テーブルの上にハンバーグとオムライス、そしてミニサラダが並ぶ。
さすが洋食屋さん。出来が違う。
鼻腔をくすぐる香りに、美しく盛り付けられたプレートが目を引く。
「良ければ私が分けましょう」
『あっ、有難うございます』
山岡さんが取り分けてくれる。
「じゃあ、いただきます!」
『いただきま~す』
ん…… これは、美味しい!
彼の言う通り、絶品だ。
『お~いし~!』
「ね、美味しいでしょ?」
ニッコリと微笑む彼。
「これだったら、毎日でも食べられちゃいますよね」
『ホント! どうすればこんなに美味しくできるんだろう』
「でも、秋山さんのオムライスも美味しそうでしたよ」
『そんなことないですよ~』
「いえ、作ってもらえたら、私、残さず食べますよ」
『あはは、私も食べてもらえるなら、毎日作っちゃうかも。』
「……良ければ、今度…作ってもらえませんか?」
『えっ…』
意外な反応に一瞬戸惑う。
「付き合って下さいってことです」
山岡さんが真顔になる。
『はい…私で良ければ……』
これが私と彼との“はじまり”だった―――
A型男子とA型女子は、好意をもっていてもそれを表現しないので、なかなか恋愛にまで発展しにくい相性だと言えます。見ていて周囲がやきもきするくらいでしょう。でも、ふたりきりの時間を過ごすことで、自然と打ち解けて本音で語り合えるように。お互い好印象を持ちやすいため、思いを告げられたらスムーズに付き合いへと進んでいくはず。問題はきっかけがどこにあるか、なのかもしれません。
(脇田尚揮/ライター)