【解説します】手の骨の中で最も好発する骨折といえば…<健康/医療>
以前書きました、コーレス骨折とスミス骨折も手を衝いて起こる骨折ですが、今回は転倒した際に手を衝き、手の骨のなかで最も好発する骨折について書きたいと思います。
★舟状骨骨折
舟状骨は手首に近い手根骨に属し、形も大きく可動性も大きいです。そのため外力の影響を非常に受けやすく、この骨折は手根骨骨折中最も発生頻度が高いです。
一方、舟状骨骨折は手関節の捻挫として見落とされやすいので注意が必要です。鑑別が困難な1つでもあります。また舟状骨の栄養血管の多くは手の甲から入るため、偽関節といわれる骨折が起こった際に損傷した骨が元の状態に戻らず異常な動きをしたり、阻血性壊死といって骨が死んでしまう症状が起こる可能性があります。
偽関節が形成されると腕立て伏せができなくなります。
◎発生機序
ほとんどが手関節を反らす力と地面に手掌をつくことにより、発生します。
◎好発部位
舟状骨の中央の1/3部(腰部)
◎症状
手関節の腫れ、痛みなどが出現しますが主に【snuff box】といわれる場所での痛みが出ます。
snuff boxは別名かぎタバコか、とも呼ばれ昔かぎタバコをこの場所に入れて吸っていたことからこの名前がついたとも言われています。
では、一体このsnuff boxはどこに存在するのでしょうか。
snuff boxは長母指伸筋腱、短母指伸筋腱、長母指外転筋腱、に囲まれた場所です。
ちなみに画像で表すとこのような形になっており、囲むと三角形になります。
他の症状としては、親指、人差し指を圧迫した際に出る痛み、手関節の可動域制限、握手をした際に生じる手関節の痛みがあります。
◎合併症
橈骨と手関節の間の脱臼、ベネット骨折、月状骨脱臼
ベネット骨折、月状骨脱臼の記事については今後書いていきたいと思います。
基本的に血行が悪い部分なので治りが悪いです。