【Love♡blood ~A型女×AB型男 ~】 第1話 プロローグ 血液型攻略エッセイ <占い/Lovea&blood>
血液型攻略エッセイ Love♡blood ~私と彼の出逢い~
この血液型攻略エッセイは、それぞれの血液型4種類の男女が出逢い、付き合い、そして結婚するまでの人生を、4×4=16のストーリーとして、紹介していくもの。16組の恋の始まりは同じ出会いの場なのに、血液型の違いから全く違った未来になって行く…それぞれの血液型の男と女が織りなす恋物語を、ストーリーテラーが紡いでいきます。さあ、それでは今日も「16通りの運命の扉」を開いてみましょう!
A型女性:秋山唯 愛称:ゆっち 25歳 山羊座 医療事務職
AB型男性:風間伸治 愛称:しんじ 27歳 水瓶座 システムエンジニア
【A型女性・秋山唯とAB型男性・風間伸治の出逢い】
プロローグ
あれは、私が元カレと別れてちょうど一年が経ったある日のことだった。
同じ病院に勤めている同期の友人・美智子が、「合コンをしよう!」って誘ってくれたのがすべての始まりだった。
私は、合コンなんて何だか浮ついた男女が、その場限りの刹那的な楽しみを共有するものと思っていたから、大学時代から今まで参加したことはなかった。
むしろ、私には縁のないものだと思っていたというのが、ホンネ。
でも、美智子が
「人数足りてないの。お願い! 座ってるだけで良いから!」
って、熱心に頼むものだから、仕方なく参加したのよね。
もしかしたら、私自身も少なからず興味があった…… のかもしれない。
二人のファースト・コンタクト
合コン当日は、あいにくの雨。
約束の午後8時よりも10分早く到着した私は、美智子にLINEを打っていた。
まだ誰も待ち合わせ場所に着いていない。
これじゃあまるで、私がすごく楽しみにしているみたいじゃん!
ガツガツしているみたいで、何だか恥ずかしい……
『あと何分で着くの?』
美智子にそうLINEをして、私はイタリアン“フィレンツェ”の前で、濡れないように屋根の下へ身を寄せていた。
―――それから5分。
誰一人としてくる気配はない……
これ、もしかして、待ち合わせ場所間違ったとかいうパターンじゃないよね。
何だかだんだん心配になってきた私は、スマホをギュッと握りしめ、美智子にLINEを送る。
『今日の待ち合わせって、午後8時にイタリアンの“フィレンツェ”だよね? 麻布の。』
その後に、犬が「?」の疑問符を出しているスタンプを添える。
元々私は、根が心配性なので、こうして約束の時間10分前に来ては、あれこれ思い悩んでしまうのだ。
だから、可愛い系のスタンプで、こうして性分を誤魔化したりする。
―――サアァァァ……
路地を打つ雨音が、まるで何かの調べのように不調和な、でも懐かしいようなリズムを奏でている。
何だか耳に心地いい。
実は、雨は嫌いじゃない。どうしてなのか分からないけど、何だか得した気持ちになるから。
少し感傷に浸りながら、雨音に耳を傾けていると、
“ヴ~”
スマホが鳴る。
直感的に美智子からだと悟った私は、待ってましたとばかりにLINEを開く。
「ゴメン! 今、遅れていた参加メンバーと合流したから、到着が8時10分になるよ。もし、もう着いてたら、お店の中に入ってて!」
……なるほど。
待ち合わせ場所は間違ってないみたい。良かった。
まぁ、幹事は何かと大変だもんね。
仕方ない、仕方ない。
そう思いながらも、私が幹事だったら、時間キッチリに始めるけどな……
と、やみかけている雨を見ながら思う。
でも、突発的なこととかあるからなぁ、私は幹事なんてガラじゃないってことかな。
「店に入っていて良い」
と言われたけど、自分ひとりで入る勇気がない私は、そのまま店の前で待ち続ける。
こういう性格だから、彼氏もできないのかな……
雨音もだんだんと消えていく。
合コン、か。どうしたら良いんだろう……。
取り留めもないことを考えていると、
「ゆい~!」
車道の向かいから、突然聞きなれた声がする。
美智子だ!
ボブカットの美智子がブンブンと手を振っている。
見た目は可愛いのに、あの性格だからなかなか彼ができないのよね……
人のこと言えないけど。
横断歩道が青になり、美智子と男の人が小走りにこちらへ歩いてきた。
それに続いて、ゆっくり歩いてくる男の人がもう一人。
「ゴメンゴメン、待ったでしょ? お店に入ってくれてて良かったのに。」
『ううん、私もついさっき来たとこだから。』
気を遣わせないよう、少し時間に“サバを読む”。
「ゴメンね、じゃ、入ろ? ……伸治さん、お店入りますよ!」
その伸治と呼ばれた男の人は、少し猫背で早歩きになった。
童顔だけど痩せていて、どこか陰のある雰囲気。
明らかに、“合コン”には不向きなタイプの人だった。
私と同じね。
何だか可愛そうな気持になった。
お店に入ると、4人それぞれがテーブルに座り、予約していたコースを待つばかりとなった。
美智子をはじめ、皆ぎこちないながらも談笑しているのに、その伸治という男の人だけは輪に入ってこず、お店の内装をキョロキョロと見回していた。
痺れを切らしたのか、美智子が
「初対面の人もいるし、自己紹介しようか!」
と、提案してくれた。
こういう時の美智子って、本当頼りになる。
「私は、根津美智子です! 今回の幹事をやらせてもらってます! そこの唯とは3年来の友達なんです」
「あ、どうも、自分は飯田健斗です。公務員やってます。よろしくお願いします」
ふふん、なるほど……。美智子のお目当ては彼ね。
美智子と、そしてもう一人の男性の自己紹介が終わり、自分も紹介をする。
『初めまして、秋山唯と言います。今回は美智子に誘われて参加しました。よろしくお願いします。』
自分で望んで参加したのではないことを、アピールしつつ無難に自己紹介をする。
そして―――
「こんばんは。風間伸治です。システムエンジニアやってます。」
と例の彼。続けて、
「ここのお店、良いですよね。あの椅子なんか17世紀ヨーロッパのアンティーク調だし、あの絵はルネサンス期の……」
突然饒舌になった。
さっきまで一言も発しなかったのに……。
―――この人、変わってる…… でも、感性豊かな人なんだ。
それが私と、この風間伸治さんとのファースト・コンタクトだった。
さっきの雨音を、私は思い出していた。
A型女性は、周囲に対して凄く気を遣うところがあります。たとえ自分が待たされたとしても、それを“おくび”にも出さないのです。でも、内心相手が遅れた原因を探ったり、分析したりする一面も。そんなA型女性からすると、AB型男性のクールなところや何を考えてるのか読めないところは、「自分にない部分」として、興味を掻き立てられる要素に。AB型男性の個性的ともいえる感受性の強さや、好きなことには徹底的な性格が、A型女性からすると「知的」に映るようです。あまり会話を交わさなくとも、何となく相手のことが分かる、それがこの組み合わせの強みかもしれません。
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