【Love♡blood ~AB型女×O型男 ~】 第1話 プロローグ 血液型攻略エッセイ <占い/Lovea&blood>
血液型攻略エッセイ Love♡blood ~私と彼の出逢い~
この血液型攻略エッセイは、それぞれの血液型4種類の男女が出逢い、付き合い、そして結婚するまでの人生を、4×4=16のストーリーとして、紹介していくもの。16組の恋の始まりは同じ出会いの場なのに、血液型の違いから全く違った未来になって行く…それぞれの血液型の男と女が織りなす恋物語を、ストーリーテラーが紡いでいきます。さあ、それでは今日も「16通りの運命の扉」を開いてみましょう!
AB型女性:涼宮麗奈 愛称:れい 25歳 天秤座 漫画家
O型男性:武田浩太郎 愛称:こー 29歳 獅子座 自動車販売ディーラー
【AB型女性・涼宮麗奈とO型男性・武田浩太郎の出逢い】
プロローグ
―――原稿が仕上がった。
毎月、締め切り前は本当に疲れる。
栄養ドリンク剤が転がっているデスク。
乱雑に散らばったお菓子の袋。
漫画家がこんなに大変な仕事だとは思ってもみなかった。
2年前に“新人賞”を取ったときは天にも昇る気持だったけど、いざ連載を持ってみるとやめたくなるくらいに激務。
取り合えず、今から寝よう。
『これ、仕上がったからトーンよろしく。私、寝るから』
アシスタントに指示だけ出して仮眠室に入る。
鏡を見ると、すっぴんに眼鏡。脂ぎった髪のいかにも根暗そうな女の顔がそこにある。
『はぁ……』
作品と作者は別物とはよく言ったものだ。
現在、私が連載している内容は、正統派学園物のラブコメ。
読者はきっと、こんなしょうもない女が描いてるなんて思わないだろう。
あはは。
何だか笑える。
あ~、しょうもな。
ブブブブ……
ブブブブ……
ベッドに入ろうとしたとき、スマホが鳴る―――
なんだよ、もう。
眠いってのに。
面倒だけど、大事な要件だと困るので、確認だけしてみる。
LINE……
差出人は“美智子”。
私の悪友だ。
ええ、と。
「レイ、お疲れ。あのさ、ダメ元で聞くんだけど“合コン”参加しない? 参加予定の女の子が急に来られなくなっちゃって。来てくれたら助かる!」
は?
私が合コンなんて、何考えてんのあの子。
参加するわけないじゃん。
……ん、待てよ。
今度、連載漫画の主人公が合コンに参加する設定だったよね、確か。
うん、オトコになんか興味ないけど、いい機会だ。行ってみようか。
作品にはリアリティ、大事だ。
「ああ、行く。いつ?」
眠いのも手伝って、何の気なしに“OK”をした―――
二人のファースト・コンタクト
あ、今日は約束の合コンの日だったっけ……。
寝起きの頭で、カレンダーを見て思い出す。
時計を見ると、夕方の18時。そろそろ準備しないとな。
カーテンを開けると、見事に雨。
めんどくさ過ぎる……。
雨音が、私のテンションを奪っていく。
『行きたくないなぁ~。』
言っても仕方がないので、ベッドから立ち上がり準備を始める。
化粧なんて久しぶりだ。
いつも“すっぴん”で生活しているから、何だか変な気分だ。
申し訳程度にメイクをする。
流石に身だしなみくらいは整えないと、美智子からブツブツ言われるだろう。
素敵な出会いなんて、アニメか漫画の中でしかない。
こんなこと、恋愛漫画を描いてる人間がいう事じゃないんだろうけどさ。
メイクを薄く塗り、モノトーンの地味な上下にカーディガンを羽織る。
そろそろ時間だ。
この分なら、約束の時間には間に合うだろう。
『よし!』
自分を鼓舞して、雨の降る中、約束の場所へ向かった。
電車の中はギュウギュウ詰め。
何これ、ウソでしょ……
もともと人と関わりたくなくて、今の仕事を選んだのに。
何が悲しくて満員電車に揺られにゃならんのだ……。
はあぁぁ~~
家でオモシロ動画でも見ときゃ良かったわ。
そうだ、“素数”を数えよう!
昔から、こうして嫌なことがあると私は現実逃避をする癖がある。
今回も例にもれず、到着まで素数を数えてリアルから目を背ける―――
眼を開けると、真っ先に意識の中に飛び込んできたのは
「次は、溜池山王」
の文字。
ええっ!!
気がつくと、待ち合わせの場お店がある麻布駅を二駅乗り過ごしていた。
あちゃぁ~
完全に遅刻だ。
……でも、仕方ないや。急いでどうにかなるもんでもないし。
すぐに美智子へLINEして、遅れることを伝える。
謝って許してもらおう。
そうしよう。
―――お店に到着したのは、8時20分だった。
もう雨も止んでいる。が、水たまりを避けながら向かったので、大遅刻だ。
取り合えず店のドアを開け、美智子を探す。
えっと……
あ、いた!
少し早歩きで美智子のいるテーブルへ。
「もう、レイ! 遅いよ~!!」
『ゴメン! 乗り過ごしちゃった……』
「はぁ? もう、どんだけよ! 先に飲んでたから、レイもオーダーして。」
ははは…… 案の定、怒られた。
20分も遅刻したんだから仕方ない。
『そしたら…… うん、カンパリソーダで』
「ちょっと、自分で頼みなさいよね」
美智子からたしなめられたその時、
「すいません! カンパリソーダをひとつお願いします!!」
耳がキーンとする。
何、この人。
見るからに「俺、スポーツやってます」って男が、挙手をしてウェイトレスに注文をする。
「ほら、レイ、武田さんにお礼言いな」
小声で美智子が耳打ちする。
は?
私、別にこの人にお願いしてないのに。
こういう男って、苦手。
マウントしてくるタイプだ。
『有難うございます……。』
「いやぁ、ここ行きつけのお店だからさ。」
イヤミったらしい男。
偉そうに。
「お待たせしました。」
カンパリソーダが私の前に置かれる。
「じゃ、これで全員そろったね。ひとまず乾杯しようか!」
武田とかいう男が音頭をとる。
ほらね、仕切りたがり屋だ。
好きに飲めばいいじゃん。
そう思いながらも、遅刻した負い目がある私はグラスをやや低めに掲げる。
カチャン!
グラス同士がぶつかり、音を立てる。
そのグラスの向こうで、武田がウインクした気がした―――
―――これが、武田浩太郎と私の最初の出逢いだった。
AB型女性は自分のテリトリーや距離感を大切にするところがあります。親しくなる前は、どうしても構えてしまうんですね。でも、O型男性はかなりおおらかで、パーソナルスペースはほぼゼロ。すぐに打ち解けて仲良くなろうとします。この距離感のギャップが、そのまま二人の関係性の溝に繋がってしまうところが。O型男性のサービス精神が、AB型女性には窮屈に感じることが多いため、第一印象はかなりマイナスかもしれません。でも、AB型女性の心の氷を溶かしてくれる相手であることは間違いないでしょう。
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